今回はPCショップASPより発売された、極小サイズのゲーミングPC『Presence BEMO』(プレゼンス ビーモ)に関する具体的な情報を、実際に使用しながらレビューしたいと思います。
Presence BEMO 概要
・コンパクトかつハイスペックなデスクトップPC
・ゲーム以外にも活用できるクリエイティビティの高さ
・各主要PCゲームでの動作確認は全て最良
・シンプルな佇まいで置き場所を選ばない
スペック・仕様
製品名 | Presence BEMO(プレゼンス ビーモ) |
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カラー | メタリックグレー(アルミボディ) |
OS | Windows10 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen5 5600X |
グラフィックス | GeForce RTX 3060Ti 8GB |
メモリ | 16GB DDR4 SDRAM(Corsair製 VENGEANCE LPXシリーズ) |
SSD | 500GB NVMe SSD(WD製 Blackシリーズ) |
インターフェース | <前面> USB3.2 Gen2 Type-C×1 <背面> [グラフィックボード] ※オンボードのグラフィック端子は非使用 HDMI×1 DisplayPort×3 [データ用] USB 3.2 Gen 2 Type-A×3 USB 3.2 Gen 2 Type-C×1 [オーディオ] MIC IN LINE IN LINE OUT USB 2.0 Type-C×1(オーディオ専用) [その他] 有線LANポート Wi-Fiアンテナ接続端子 |
サイズ | w11.5 x d32.8 x h20.6 ※1ゴム足高さ含む |
重量 | 7.2Kg |
価格 | 363,000円(税込) |
サイズ・重量・インターフェース
『本体正面』
『側面』
『背面』
『上面』
コンパクトなPCとは伺っておりましたが、これほどまで小さいとは思っておらず衝撃を受けました。
前面のインターフェースは『電源ボタン』と『USB3.2 Gen2 Type-Cのみ』というシンプルな構成ですが、それによりどんなお部屋にも馴染みやすいスタイリッシュなデザインとなっております。
電源ケーブル・周辺機器
①Windowsインストールディスク
②デバイスドライバーディスク
③電源コード
④Wi-Fiアンテナ
⑤アンテナ取り付け用パーツ
周辺機器に関してはマウス、キーボード、HDMIケーブルが付属しておりませんので、初めてPCを購入される方は事前に用意しておくことをオススメします。
(できれば有線タイプ、無線なら最低でもUSBレシーバー付きの設定不要で動作するもの)
※④Wi-FiアンテナをPCに装着することでBluetoothなどの無線機器の動作が劇的に安定しますので忘れずに取り付けましょう。
Presence BEMO CPU・GPU・SSD性能
ここからはPresence BEMOのCPU・GPU・SSDそれぞれの性能について詳しく解説していきます。
Presence BEMO CPU性能
Presence BEMOに搭載されているCPUは『AMD Ryzen5 5600X』と呼ばれるモデルで高性能、良心的な価格とコストパフォーマンスが優れていることで有名です。
価格は前モデルより上がりましたが、それ以上に性能が上がったため不満は感じにくく結果として満足のいく性能に仕上がっております。
気になる性能ですがCPUレンダリングでは、Core i9 10900Tの性能をあっさり追い抜いてしまいました。(※シングルスレッド性能のみによるもの)
そのため今まで以上にゲーミング性能を向上してくれるほか、本モデルにはCPUクーラー「Wraith Stealth」が同梱されているため、ユーザーの頭を悩ます『排熱問題』を解決しやすい構成となっております。
Presence BEMOはコンパクトなボディにあらゆるパーツを凝縮しているため正しく排熱できるか不安に思うかも知れませんが、これなら安心して使用できますね。
これまで1つのCPUには4つのCPUコアしか搭載されておりませんでしたが、AMD Ryzen5 5600Xは6コア12スレッドになりハイパワーと省電力化を実現することができました。
またゲーミング以外の用途にもハイパワーを活かすことができます。
動画編集はもちろんAfter EffectsやPhotoshopなどのソフトも上位モデルのCPU「Ryzen 7 5800X」と遜色ないスコアで動作するためクリエイティブに活用することができます。
Presence BEMO GPU性能
代表的なベンチマークソフト「3DMark Time Spy」で計測した場合、RTX 3090などのハイエンドクラスと比較すると流石に差が開いてしまいますが、RTX 3070や2080Tiなどの高スペックモデルと遜色ないスコアを叩き出しておりその差は僅かなものです。
またRTX 3060Ti 8GBは省電力であることがよく話題に上り、消費電力はRTX 2080Tiより50w低く、RTX 3070より20w低いため長時間のゲームや作業も気にせず使用できます。
それでいてRTX 3070より20,000円ほど安く購入できる点や、前世代のRTX 2080 SUPER以上の性能を秘めているのが人気の理由です。
GeForce RTX 3060Ti 8GBはRTX 30シリーズの中で1番コンパクトな構造になっているためPresence BEMOをはじめミニタワーケース等に難なく収まる点も好印象です。
比較対象に挙がるRTX 2080 SUPERは価格高騰が止まらず現時点で50万円ほどしますので、同程度の性能をお求めの方は5〜8万円ほどで購入できる3060Ti 8GBがオススメです。
またDLSS(ディープ ラーニング スーパー サンプリング)による低解像度のグラフィックを高解像度にアップスケールする機能が備わっているため、ハイエンドクラスのCPUに匹敵するフレームレートをゲーム内で出すことが可能です。
NVIDIA DLSS feature test – DLSS 2.0 (2560×1440)
GeForce RTX 3060Ti 8GB | 79 fps(DLSS ON) 32 fps(DLSS OFF) |
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RTX 2080 SUPER | 76 fps(DLSS ON) 32 fps(DLSS OFF) |
このようにベンチマークテストでは前世代ハイエンドモデルのRTX 2080 SUPERを僅かに上回る結果となっております。
(※比較対象になりやすいRTX 2080 SUPERですが、このGPUも文句なしの性能を持っているので価格が落ち着いた際は購入候補になり得ます。)
Presence BEMO SSD性能
あらゆる動作スピードに直結するSSDの性能はゲーミングPCのみならず全てのPCに欠かせないパーツの1つです。
Presence BEMOに搭載されているSSDの読み込み・書き込み速度を「Crystal Disk Mark」で測定したところ下記のデータ結果となりました。
この表では「1秒間に何MBのデータを読み込むことができたか・書き込めたのか」が分かります。
一般的なゲーミングPCに搭載されているSSDの平均的な数値はおよそ500MB/s以上とされており、この数値を下回らなければ快適に動作するという認識で問題ありません。
さらに高速なM.2やPCIe接続のNVMe SSDの場合は2500〜3500MB/s以上が快適さの指標とされております。
それを踏まえ、当SSDの読み込み速度(Read)はおよそ「6100MB/s」、書き込み(Read)はおよそ「4200MB/s」と言う結果が出ました。
つまり、考え悩むことなくあっという間に読み込み・書き込みが完了するという結果となりました。
一瞬のグラフィック描写性能がゲームの勝敗に大きく影響を与えるゲーミングPCではこの数値はとても重要となりますので、Presence BEMOはカジュアル用途のみならず競技シーンでも問題なく使用できる性能であることがうかがえます。
Presence BEMO 各ゲームでの快適性
ここからはPCゲームの中でも特に人気のあるタイトルの動作感を実際にプレイしてレビューします。
APEX FPS値/動作確認
FPS値 | カジュアル 170〜196 fps コントロール 130 fps |
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グラフィック品質 | 最高品質 |
ウィンドウモード | フルスクリーン |
排熱/ファン回転 | 排熱多め、常時高回転を維持 |
不具合(ラグ、フリーズ) | なし |
快適性 | 非常に快適 |
APEXはアンチエイリアス、テクスチャストリーミングなどゲーム中のグラフィック描写や動作に影響する13項目全てを最高設定にしてテストプレイをしました。
基本的なモード『カジュアル』では170〜196 fpsを維持しておりましたが、驚くことに普段使用している自家用PCでプレイするよりも相手プレイヤーが弱いような印象を受けました。
これはおそらくPresence BEMOに搭載されているCPUやGPUが高性能な為、相手より速く画面に必要な情報(敵を発見する等)が表示されたからと推測します。
多人数が参加する新モード『コントロール』は一画面に複数のプレイヤーが描写されPCに負荷が掛かりやすい状況が多いのですが、安定して130 fpsが出るため非常にストレスフリーなプレイを楽しめました。
とても快適でしたが、冷却ファンが常に高回転を維持していたため、PCの置き場所には多少の配慮が必要です。(熱によるPCまたは周辺機器のダメージを防ぐため)
FORTNIGHT FPS値/動作確認
FPS値 | スクワッド 105 fps(117〜125) チームランブル 100 fps |
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グラフィック品質 | 最高品質 |
ウィンドウモード | フルスクリーン |
排熱/ファン回転 | やや多い、高回転を維持 |
不具合(ラグ、フリーズ) | なし |
快適性 | 非常に快適 |
Fortniteは軽量動作ゲームの部類なので低スペックPCでも遊べると評判ですが、最高設定でプレイするとなると話が変わります。
まず基本のモードである「スクワッド」にてクオリティープリセットや描画距離などfpsに関わる項目は全て「最高」、3D解像度は100%にして検証しました。
結果として最高設定の状態では、常時100 fps以上を維持しており安定したプレイができました。
一方で複数のプレイヤーが狭いエリアで混戦するため高負荷が掛かることの多い「チームランブル」モードでも同様の条件で検証した結果、100 fpsを切ることなくバトル終了まで快適に動作しました。
TPSは一瞬の動作感やラグが勝敗に大きく影響するので、Presence BEMOは対戦ゲームに最適なゲーミングPCと言えるでしょう。
VALORANT FPS値/動作確認
FPS値 | アンレート 350〜434 fps |
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グラフィック品質 | 最高品質 |
ウィンドウモード | フルスクリーン |
排熱/ファン回転 | やや多め・中回転を維持 |
不具合(ラグ、フリーズ) | なし |
快適性 | 非常に快適 |
VALORANTも元々は低スペックPCでも遊べるように制作されたため、要求スペックは大したものではないのですが、やはり最高設定で遊ぶにはそれなりの性能が必要です。
基本的なモードであるアンレートでは350〜434 fpsが出ており終始スムーズな動作でプレイできました。
グラフィック設定ではマテリアルやディテール、キャストシャドウなどfpsに大きく影響を与える11項目を全て高負荷のかかるものに変更しても300 fpsを切らずに遊ぶことが可能です。
冷却ファンは中回転を維持しておりデスクに置いても気にならないレベルでしたが、一画面に表示されるプレイヤー数やスキルエフェクトの重複によってはファンの回転数が上がり、やや音が気になる場面もありました。
VALORANTは画面の表示速度の差で撃ち負けたり一瞬のラグが命取りとなるシビアなゲームなので、高性能な描写能力を持つPresence BEMOは快適なプレイに適していると感じました。
ドラゴンクエスト10 ベンチマークスコア
スコア | 24826 |
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グラフィック品質 | 最高品質 |
解像度 | 1920×1080 |
ウィンドウモード | フルスクリーン |
排熱/ファン回転 | 排熱は少ない・低回転を維持 |
不具合(ラグ、フリーズ) | なし |
測定ソフトによる評価 | すごく快適 (すごく快適に動作すると思われます。 お好みの設定でお楽しみ下さい。) |
ドラゴンクエスト10は公式が用意している専用のベンチマーク測定ソフトを使用して検証しました。
設定としてはグラフィック画質を最高設定、解像度を1920×1080、表示方法はフルスクリーンという最もPCに負荷が掛かる構成です。
結果としては24826というスコアが出ました。
このベンチマークスコアは1000以下だと動作困難で、10000を越えるとすごく快適にプレイできると言われております。
つまりPresence BEMOはとんでもない値を叩き出したということが一目で分かるかと思います。
ファンは終始低速回転で静かに動作し、排熱も少ないのでPCをモニターの横に設置しても全く問題なくプレイができそうです。
ff14 ベンチマークスコア
スコア | 28312 |
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グラフィック品質 | 最高品質 |
解像度 | 1920×1080 |
水濡れ表現 | 有効 |
ウィンドウモード | フルスクリーン |
排熱/ファン回転 | ややあり・中〜高回転 |
不具合(ラグ、フリーズ) | なし |
測定ソフトによる評価 | 非常に快適 |
MMOの中で最も勢いのあるFF14ですが、こちらは動作の重い部類のゲームとなっております。
まず結果としてベンチマークスコアは28312という結果になりました。
細かい設定としてはグラフィック品質を最高品質に、解像度を1920×1080、またFPS値が大きく低下する「水濡れ表現」を有効、ウィンドウモードはフルスクリーンという構成です。
測定開始直後からファンの回転数が中〜高回転を行き来しますが気になるほどではなく、ラグなども無く快適にプレイできるかと思います。
この測定では『28312:非常に快適』という評価になりましたが、平均60fpsを安定して出すには約9000のスコアが必要になります。
つまりPresence BEMOは評価にあるように非常に快適にゲームをプレイできると言えます。
余談ですが著者はモニターの左側にPresence BEMOを設置して測定しました。
PCを正面から見て右側から排熱が出る構造のため、デスクに設置する際は自身の右側に置くことで排熱を回避することができます。
Presence BEMO 特徴
ここではPresence BEMOの特徴を詳しく解説していきます。
極小サイズに凝縮されたハイスペックなゲーミングPC
Presence BEMOは映像編集用のハイスペックPCや高性能ゲーミングPCを取り扱う「PCショップASP」から発売されている超コンパクトなゲーミングPCです。
そもそもゲーミングPCには、GPUをはじめメモリやドライブなど大小様々なサイズのパーツを決められたケース内に納める必要があり、そのため筐体は自然と大きくなってしまいます。
しかし小型かつコンパクトでおしゃれなPC作りが得意なPCショップASPの手に掛かればその常識は完全に覆されます。
考え抜かれたボディ設計、選び抜かれたパーツの使用など、細部までこだわり丁寧に作られたゲーミングPCがPresence BEMOなのです。
シンプルな佇まいで置き場所を選ばない
これまでゲーミングPCを購入する時、お部屋のどこに置くかしっかりと設置場所を決めておく必要がありました。
著者も部屋の大部分を占領するような横長デスクや、広面積の設置床が確保できずにPC購入を見送った知人を何人も見て来ました。
しかしPresence BEMOの超コンパクトボディはユーザーの「PC設置問題」をあっさりと解決してくれました。
どんなお部屋にも馴染むアルミ製のヘアライン加工ボディは高級感が漂い、性能だけでなく見て楽しむ喜びすら感じさせてくれます。
フロントパネルは電源ボタンとUSB3.2 Gen2 Type-C端子が1つだけというシンプルかつスタイリッシュなデザインも好印象です。
ゲーム以外にも活用できるクリエイティビティの高さ
著者の知人を含めゲーミングPCを購入しようか迷っている方は「ゲームの為だけに何十万円も出せないよ!」と口を揃えて言います。
このPresence BEMOは持ち前のハイスペックを活かし、動画編集や仕事で使う書類の作成、ライブ配信などあらゆることに使用できます。
自身のゲーム実況動画を自身のPCで編集し、YouTubeなどの動画投稿サイトに投稿した結果、大きな反響があり人気ストリーマーに成り上がった方も大勢いらっしゃるので、この小さなPCには無限の可能性があります。
超コンパクトで置き場所にも困ることなく、もしかすると人生が大きく変わる可能性を秘めたPresence BEMOは、PC初心者から上級者まで幅広いユーザーにオススメできるゲーミングPCだと言えます。
気になった方やこれからどのPCを購入しようか迷っている方は、PCショップASPの公式サイトで詳しい情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。